日本酒資格を取得して専門家になるには Part2
日本酒資格を取得して専門家になるには Part2
2.ワイン資格認定機関の資格
■SAKE DIPLOMA
日本ソムリエ協会が認定している新しい資格です。
日本人のソムリエも今や国際的な活躍をする時代。そこで求められるのは自国の酒類についての理解である、という会長田崎真也氏の思いで発足しました。
日本酒の他、焼酎についても内容に含まれています。
●内容
ソムリエ協会がつくっただけあり、教本もテイスティングもワインの考え方が色濃いです。
国際的に日本酒を説明するためにはある程度ワインのルールに則って説明する必要があるという考え方からであると思われます。
もともと日本酒業界にいる方からすると少々戸惑う部分も多いかと思います。
代表的な清酒の産地についての知識や原料である酒米(特に山田錦という品種について)、料理との組み合わせ提案等が重視された構成になっています。
また、利酒師と比較すると製法や歴史の年号等は細かく問われるため、暗記量は多くなる傾向があります。
あくまで日本酒・焼酎についての知識が問われ、利酒師のような日本の文化などの教養部分はほとんど問われません。
●難易度
難易度は年々上昇する傾向にあります。
合格率は年によって違いますが、最終合格率は40%前後ではないかと思います。
テイスティングサンプルは比較的特徴的なものが出題されますが、時間が短くスピードが求められます。
ワインを元にした独自のテイスティングコメントに慣れる必要があり、この点はやや独学で理解しにくい部分かもしれません。
また、選択式の他に論述試験もあり、その対策に少々苦労するかもしれませんが、配点としてはそこまで重要ではないと見られ、過度な心配は不要かと思います。
●こんな方にオススメ
・合格率の低い試験に挑戦したい
・ワインを飲む人に日本酒について説明したい方
・ソムリエ・ワインアドバイザー資格者ではばを広げたい方
・醸造や地域について学びたい方
■WSET SAKE Level1,Level3
この資格も私は持っていませんので、ワインスクールキャプランさんのページリンクを下の方に記載しておきますね。
国際的なワイン教育機関WSET(Wine&Spirits Education Trust)が近年日本酒教育にも参入しました。
こちらの教育機関のワインの教育は私も受けていますが、JSAと比較すると単純な知識量よりその知識への理解という部分を重視した教育で、試験でも単純な短答ではなく、理解を前提に論述するようなスタイルですので、日本酒についてもそのような姿勢は貫かれているものと思います。
段階的に勉強していくことも特徴の一つで、現在ごく基礎であるLevel1と主にプロを想定されていると思われるLevel3(英語)とがあります。
なぜかLevel2はありませんが、中途半端になってしまうので必要ないといえば必要ないのかもしれません。
テイスティングについては講座を受けていないのでやはり詳しくは書けないのですが、聞いた話ではWSET WINEの手法がベースになっており、ややくせがあるように思います。
例えばJSAが酸味を「まろやか」「シャープな」などのニュアンスを含む言葉でコメントするのに対しWSETでは「High」だとか「Low」といった強度を表す言葉を使うというような特徴があります。
JSAの方はあくまでお客様に接するソムリエ的役割ですので、そうした消費者の方にイメージさせる言葉を、WSETの方は流通に関わる方も多いイメージですので、より客観的な言葉を使うのだろうと思います。